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2018年3月の銅相場を振り返る


2018年4月13日 14:00

日頃は大変お世話になっております。 守谷営業所事務担当の久保です。

本日は緊急の下げ改定となった銅建値ですが、3月に入ってもほぼ下げ一方だった年初からの下げ相場は、4月に入りようやく反発の動きを見せました。

ここで、銅建値の3月の動きを振り返りたいのですが、銅建値は数日に一度しか動きませんので、今月も円換算したニューヨーク商品取引所(COMEX)の銅(COMEX銅・NY銅)を中心に見ていきます。

グラフはCOMEX銅の期近物と、その円換算、そしてドル円相場の2月末から5週間の動きです。

円建てCOMEX銅のグラフを見ていくとまず、3月の前半は値動きも少なく安定した相場の動きを見せていますが、後半になると大幅に下落しました。 この動きを、ドル建てCOMEX銅の動きと米ドル/円の為替相場の動きに分けてみると、米ドル/円の動きに対してドル建てCOMEX銅の下げの大きさが目立ちます。

ドル建てCOMEX銅が下げた原因のほぼ大半は、米中の貿易戦争への懸念が銅相場へ波及したことによるものです。

3月1日にトランプ米大統領が輸入関税の強化を発表して以来、市場では貿易摩擦が強まり世界の経済成長が鈍るとの不安が続いていました。

その後、22日にはトランプ米大統領が、鉄鋼・アルミニウムの輸入制限に加え、幅広い中国製品を対象に関税を課すための大統領令に署名、これに対し中国も報復関税を発表したことなどで、米中の貿易摩擦激化に対する警戒感が一層強まって相場環境が悪化したことが、銅の下落の主な原因と言われています。

以上、年初からの下げ相場が続いた3月の銅建値は、円建てCOMEX銅の動きから見ると、円高を主な原因に下げていた1月、2月とは異なり、米中の貿易戦争への懸念によるドル建てCOMEX銅の下落を主な原因として下げたことがわかりました。

ご参考までに、ドル建てCOMEX銅とその他の各相場の動きのグラフもご紹介しておきます。

3月は、強い協調減産体制や中東の地政学的リスクという供給不安を抱えた原油が、逆行高を見せるという特徴的な動きを見せています。

長期的には、原油相場は銅相場と相関性の高い動きを見せるので、通常その動きは銅相場の参考にもなるのですが、現在の状況ではそうもいかないようです。

今後もいろいろな観点から「銅相場」を学んでいきたいと思います。

久保 淳

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